──2008年5月28日

その1ヶ月前に、仕事で東京へ旅立った恋人から1週間ぶりに届いたメールに書いてあったことを、私は到底信じられずにいた。 



[FROM:悠ちゃん]

間違いメールだろうと確認した送り主の名前は、名前見ても恋人のそれで。

信じざるをえない状況にあっても、私の頭はそれを受け入れまいと鈍痛を走らせる。





……嘘だ。 
悠ちゃんが癌だなんて、そんなことありえない。





私は一度深呼吸して、もう一度そのメールを読み返した。



2009/ 5/28 9:23
FROM:悠ちゃん
subject:無題
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言うか言わないかすごい迷ったんだけど、やっぱり言うことにした。そうしたことによってお前を不安にさせてしまったり、辛い思いさせてしまうと思うけど、お前には彼女として俺に何が起こっているのか知る権利はあるし、俺自信がお前に知っておいてほしいから、聞いてくれ。


まず、俺が東京に来たのは仕事のためじゃないんだ。