「きれい…」


茉葵が弾んだ声で呟く。


「本当だな」


優人が柔らかい声で応える。


雪が段々と強くなってきた。


車のフロントガラスに当たっては、融ける雪。


《今が雪降る人恋しい季節じゃなくて。

例えば、アスファルトに光り照りつける眩しい季節だったなら。

少しは何か変わっていたのだろうか。》