「あの男の部屋に行ったことはありますか?」


その質問をされた瞬間、茉葵の顔が曇る。


2年も付き合っていたというのに、義朗の部屋へ行ったことは一度もなかった。


「あり、ません…」


消え入りそうな声で呟く。


やはりという顔で頷くと、優人に目線で合図をした。