6月27日の予定日を過ぎて7月1日。
1人の女の子が誕生した。




女ってすごいって思った。
出産の時芽衣を見てそう思った。
俺は頑張ってる芽衣の手を握る事しかできなかったけど。
そんな頼りない俺に“ありがとう”って言ってくれた芽衣を見てそう思った。




それと同時に……。
男ってホント図体がでかいだけで、何もできないんだなって思った。




何だかんだ言って、守るとか偉そうに言って。
女の方が男より強いんだなって思った。




そして誕生した女の子に、俺達は必死で考えた名前をつけた。




真姫(マヒメ)。
純粋な本当の姫って意味でつけた名前。




個室のベッドで疲れた表情の芽衣の隣に座っていると、産湯の後綺麗になった真姫が入ってきた。
入ってきた真姫が芽衣の横に寝かされると、芽衣はニッコリと微笑んだ。




「可愛いね」




そう言って真姫の頭を撫でながら俺を見上げた。




「うん……すっごく可愛い」




真姫を見て、今までテレビで可愛いって騒がれた子供とか。
見かける赤ちゃんよりも可愛いって思った。