玄関で靴を脱いでいる時、芽衣はバランスを崩した。




「危ないっ」




俺は慌てて芽衣の肩を掴んで倒れるのを阻止した。




「ふぅ……危なかったぁ」




俺はヒヤッとしつつ微笑んで芽衣を見た。




「危なかったね?気をつけるんだよ?」




そう言うと、芽衣は俺をバッと睨みつけた。





「もう!何なの!?赤ちゃん、赤ちゃんって……!」




「え?」




いきなり涙目で怒鳴る芽衣に俺はビクッと肩を震わせた。




「最近ずっとそればっか!耀全然あたしの事見てくれてない!」




最後にそう怒鳴ると、芽衣は寝室へと入っていってしまった。




芽衣の気持ちを聞いて俺は立ち尽くしてしまった。
そういえば……。俺、最近赤ちゃんの心配ばっかして。芽衣の事ちゃんと見てあげてあげられなかった。




それにようやく気付いた俺は芽衣が入って行った寝室をノックした。




すると返事がない。俺はゆっくりドアノブを掴んで回してみると、ドアが開いた。




俺は何も言わずにドアを開けて寝室に入ると、芽衣はベッドの上で座って泣いていた。
その姿を見て、俺は悲しくなった。
守るって決めたのに……俺は芽衣を悲しませた。




「芽衣?」