すると石塚さんはニッコリ笑った。
「そうなんですか。話で聞いたとおり素敵な方ですね」
え?
キョトンとして芽衣を見ると、少し顔を赤くしていた。
芽衣……俺の事話してたのかな?
なんて考えながら芽衣を見つめていると、石塚さんが口を開いた。
「芽衣ちゃんから聞いてたんですよ?優しい人なんだって」
「あ……そんな事ないですよ」
そう言って俺は笑った。
すると芽衣は慌てたように石塚さんに口を開く。
「ちょっ石塚さん!」
「あら?いいじゃないのー。仲がよくて」
怒る芽衣に微笑む石塚さん。
何か……2人の間に俺、座ってるけど俺……仲間に入れてない?
そう感じた俺は黙って2人の会話に相づちを打つしかなかった。
すると受付から声がかかる。
「半田さーん?中へどうぞ?」
その声に俺達は立ち上がって勧められた部屋へと入った。
そこには白衣を着た中年の女の人。
俺の存在に気付いたお医者さんはニッコリ笑った。
「あら?今日は旦那さんと一緒なのね」