なんて考えながらコーヒーを飲んでいると、母さんは言った。




「耀。今度こそしっかりしなきゃね。パパになるんだから」




そうだよね。今まで芽衣を守ろうって必死だったけど。もう1人増えるんだ。守りたい人が。今までの俺じゃもう1人を守る事はできない。だって……芽衣を守るので精一杯だったから。




「俺……もっと強くなれるかな」




不安を母さんに聞いてみると、母さんはニコッと笑った。




「なれるかな、じゃなくて。ならなきゃいけないのよ」




ならなきゃ……いけない。




すると母さんは優しく俺の手を取った。




「大丈夫よ。あなたは私の子供よ。自信持ちなさい」




そう言った母さんの手と、目は強かった。




俺も……俺をここまで育ててくれた両親みたいに強くなれるかな?いや……ならなきゃいけないんだよね。




そう考えると、芽衣のお腹の子が生まれてくるのが楽しみで仕方なかった。




女の子だったら……芽衣みたいに可愛いのかな。




男の子だったら……俺みたいにはなってほしくないな。




なんて考えながら芽衣の待つ家へと足を急がせた。