するとあたしが泣いている事に驚いた様子の男の子があたしを見て言った。




「お姉ちゃん何で泣いてるの?」




「う……っふ」




涙が止まらなくて男の子に返事もできない。すると耀はあたしを抱きしめながら男の子を見た。すると男の子は怒った顔をして耀に言う。




「だめだよ!?お兄ちゃん。お姉ちゃん泣かしちゃぁ」




「この涙はね?嬉しくて流してる涙だからいいんだよ」




そう言って耀は男の子の頭を撫でた。すると遠くから誰かを呼ぶ声がした。その声に気付いた男の子は少し寂しそうな顔をした。




「あ、ママが呼んでる」




そう言うと、男の子はあたしの方に歩いてきた。




「ねぇお姉ちゃん」




「ぅ……うん?」




泣いているあたしは必死で返事をした。すると男の子は優しく微笑んだ。




「お兄ちゃんとしあわせになってください」




満面の笑みでそう言ってくれた喜びにあたしの涙はまた流れた。手を振りながら去っていく男の子に耀は優しく手を振る。そして男の子の姿が見えなくなると、あたしを見下ろした。




「さて?そんなに泣いたらせっかくの可愛い顔が台無しだよ?」