その後あたし達は30分ほど話した。すると外が何やら騒がしい。
……?
「何か騒がしいね。どうしたんだろう」
あたしはウエディングドレスを引きずって扉の方に歩くと、ゆっくり扉を開いた。
するとあたしにドレスを着せてくれた女の人が慌てた様子で近づいて来た。
「すいませんが新郎様はおられますか?」
新郎?あ、耀の事か。あたしは慣れない呼び方に一瞬考えたけどすぐに女の人に返事をした。
「えっと……ここには来てないですけど?」
すると女の人は、そうですか……。と言わんばかりの顔をして、あたしに心配かけないように笑いかけた。
「そうですか。お騒がせしてすいません」
そう言って女の人は頭を提げると、走って行った。
「どうしたのー?」
部屋の中からキョトンとした顔をしている楓があたしに聞いてくる。
「何か耀を探してるみたい」
「え?耀さん?」
「うん」