「今までホントにありがとうね」




気持ちを伝えると、今までの想いが込み上げてきて目頭が熱くなる。




すると泣きそうなあたしに気付いたママは慌てた様子であたしの元に近づいて来た。




「何泣いてるのよぉ。別に遠くに行く訳じゃないんだから」




そう言って目に溜まった涙を優しくハンカチで拭き取った。




そうだよね。すぐ会えるんだもん。




「うん」




笑みを浮かべてママを見上げると、大きな扉がノックされた。




「あれ?誰かしら?」




扉を見つめてそう呟くママは、立ち上がって扉の方へと歩き出した。




誰だろう?




ママが扉を開くのを見ていると、扉の向こうから騒がしい集団が……。




「あ。芽衣の親父さん。ママさん。おめでとうございまーす!!」




まず最初に入ってきたのは、少し見慣れないスーツを着た優雅だった。