「耀?こんなとこにいたら風邪引いちゃうよ?」
抱きしめられながらそう言うと、耀はあたしを抱きしめる力を強くした。
「追いかけようとしたんだけど。同窓会邪魔しちゃいけないと思って」
そう掠れた声で言う耀の体は冷たかった。
その冷たい体に胸が締め付けられながらあたしは呟く。
「ごめんね耀……」
「芽衣……」
眉を下げてあたしの名前を呼ぶ耀。
「あたし無理して大人っぽくなんてもうしない。耀は……あたしのありのままを好きになってくれたんだもんね」
そう言うと、耀は頷いた。
「俺は芽衣がこの先……今日みたいに壁を作る時があったら、何度だって壊すよ」
耀の力強い視線があたしを捕らえる。
「ずっと……変わらず芽衣は、可愛い芽衣でいて」
そう耳元で囁いて耀は抱きしめてくれた。
20歳。変わりたくなくても何かが変わってしまう。複雑な年齢だけど、変わらないのは耀への想いだって実感した。