俺の彼女である香織は、大人の女性でありながら、純粋で無邪気な面を持っている。
俺が長年かぶってきた仮面。
それを香織の前でだけ脱ぐことができる。
ただのひとりの男、瀬名仁ノ介に戻れる場所。
それが、香織の胸の中なんだ。
あんな女性に会ったのは初めてだった。
いろんな顔を持っている女性。
どんなに困難な状況の中でも、その中に楽しみや幸せを見つけることのできる女性。
俺は、香織と一緒にいる時、心から安らげる。
無理して、笑顔を作らなくてもいい。
完璧な医者を演じる必要もない。
何のかけひきもいらない。
香織、愛してる。