「ん? なんだ? うわっ、なんでそれが、ここにあるんだよっ!」

涼は後ろから覗き込んで、私の手にしていた物を見ると、焦ったように言った。



涼から貰った初めての手紙。

合宿最終日に、ここに隠していた物。

振り返って、涼の前でその手紙を、ピラピラと振って見せた。



「自分の気持ちにやっと気が付いたのに、連絡先も書かずにこの手紙だけで涼が居なくなったから、フラれたと思ったの」

「えっ?」

「『今度会った時に返事を聞かせて』って書いてあったけど……その『今度』がいつなのか、私は分からなかったんだもん、誰かさんと違って」



私は頬を膨らませて、涼を睨んだ。

すると、涼は苦笑いをした。