んー。



「あのね」

「ああ」

「夜の海で話した時」



ちょっと間があった後、涼は少し首を傾げた。



「星が綺麗だった夜に、寝転がって話した時?」



首をプルプル左右に振った。

私の反応を見て、涼は視線を泳がせながら『いつだろう?』って考えてるようだった。

そうだよね、あの頃、毎日のように夜の海で話をしていたもんね。



「初めて涼にこの海で声を掛けられた時」



私がそう言うと、泳いでいた涼の視線が、ピタッと止まった。

そして、ゆっくり私のところに視線が戻って来た。