「海で溺れたおまえを助けた時、おまえ、うわ言を呟いたんだ」



えっ?



「その時は、よく聞き取れなかったけど、後で分かった……『私はいいから、僚二を助けて』……そう言っていたんだって」



ハッとして涼を見ると、涼も私を見た。



「おまえ、そう言って涙を流したんだ……4年間、泣けなかったって言ってたけど、きっと無意識の中では泣いてたんだろうな」

「……涼……」