「何、涼もそんな人が居るんだ? 今度、紹介しなさいよ」

お母さんが言った。



「そのうち機会を作って、是非紹介しますよ、正美先生には」

涼はサラッとそう答えた。



私は涼の方を向いてたので、みんなに背を向けていた。

振り向けなかった。

だって、涙が出て来たから。



みんなの前で公言されたのが、嬉しかった。



涼はチラッと私を見たけど、すぐに中のみんなに言った。

「と言う事で、みんな、俺に惚れるなよ? 俺は彼女一筋で、浮気なんか出来ないからな?」