「確かに、私の教えを胸に刻んで教師生活を送ってるようだね」

お母さんは、尚もクスクス笑いながら、涼を見てそう言った。



「言わなくていい事を……」

涼がボソッと呟くと、回りのみんなもクスクスと笑い始めた。



「まったく」

涼は居心地が悪くなったのか、自分のポケットを軽く叩いてから席を立ち、窓際の方へ歩いて行った。



あっ、タバコ吸いに行ったんだ。

涼はタバコを吸う時、ポケットにタバコがあるのか確認する仕草をするから。