「あれ?もしかしてカイロ一個しかない?」
「ん?うん」
そりゃ、何個も持ってないし。
悠は、少し考えて、「んじゃあ…」って言いながらカイロを左側のポケットに入れた。
そして、あたしの手ごとそのポケットに入れた。
「あったかくね?」
「ん♪あったかい〜」
不思議。悠とこうしていると、冷たい夜の風も、気にならなくなるんだ。
……それだけ安心できる…ってことだよね。
空を見上げると、冬の星が輝いていた。
「あ!悠!あれオリオン座だよ!」
「え?どれどれ?」
「あれあれ」
「えー?オレ頭悪いからわかんない☆」
「えー」
キラキラ光る、冬の夜に散りばめられた星空、そこにポッカリ浮かぶ月…
あたしは、いつ見ても、キラキラ綺麗だなって思うんだ。