「それに……」
ガチャ、と部屋のドアを開けながら、悠は続ける。
「…季里のこと、もう10年好きだし……大事にしたいって、思ってるよ?」
悠……
あたしのこと、そんな風に思っててくれてたんだ……。
「ってか、期待?させちゃって悪いけどー、今日、そーゆー意味で連れてきたんじゃないから。」
……ん?
「………えっ?えっ?ウソッ!?
てか期待なんかしてないし!」
悠は、あたしが好きな歌手のCDをプレーヤーにいれている。
「ん〜?じゃあ、さっきまでの緊張は何だったんだよ?」
なんか悠の得意気な顔が腹立つッ!
「だ……って!両親は旅行って言ってたし……」
そう言いながら、悠の勉強机の椅子に座るあたし。
ってか、二人っきり……って、そーゆー意味じゃないのぉ!?
「ああ、だって、外で遊んだら補導されるし、家行っても親がいたら怒られんじゃん。だから、両親いない俺んちがうってつけかなー、と思ってさー」
ううう……なるほど……
たしかにそうかも。