「はっ!?なんで!?」




悠は、そう言いながら腕の力を少し緩め、あたしの顔を見ようとする。



だけど……大胆なこと言ったし、抱き締められてるし…で、すごいドキドキして。


顔真っ赤だし………。



だから、見られたくない。




そう思って、コツン、と悠の肩に頭をのせた。



「……昨日のみたいなのじゃなくて…
ちゃんと、“両思いになった証”で……キスしたい。」



ドキン、ドキン、ドキンとだんだん大きくなっていくあたしの鼓動。


だけど、今わかったんだけど


悠も、あたしに負けないくらい、心臓の音が速くて大きい。



優しく、強く、抱き締められること


好きな人の心臓の音を聞くこと


こんなに、心地よくて幸せなものなんて、しらなかったよ?


全部、悠が教えてくれたんだよ?



だから……



「……あたしに、幸せな…キスを、教えてください……っ」