「あぶねぇよォ。こんな所きちゃあ。」
そう言って、今度は手首を掴んできた。
「いっ……」
手首を持つ力が強まる。
あんたの握力はゴリラ並みか!?ってほど痛い。
「おじさん暇してるんだよねェ。ちょっと遊んでもらえない?お小遣いあげるから。ね?」
「ひッ………」
やだっ……
怖い……
怖い!
怖い!!!
「………っ」
さっきまで出ていた声が、出せない。
助けてっ……悠――……
「…………ゆ…うっ……」
「テメェ季里に何してんだよ!!」
―――悠!!?
きて…くれた……
あたしのこと、嫌いになってないって、思ってもいいの……?
「あン?なんだテメェ」
明らかに弱そうなオヤジが挑発する。
悠は、冷ややかな目でオヤジの胸ぐらを掴んだ。
「薄汚ねぇ手で触ってんじゃねーよ!!」