「それ、季里。」
「は?ちがうでしょ」
その時、なんかプチッて音がどっかからか聞こえた。
「……季里のこと教えてあげようか?
季里は、鈍感で素直じゃなくて、天然で意地っ張りで、でも優しいとこもあるし、頭もいい!最近まで彼氏が欲しかったくせに今は悠一直線で、今は恋する乙女♪みたいになっちゃって、一番悠の近くにいて、いっちばん悠を理解できる人でしょうがっ!!!」
はぁ…はぁ……
一気にしゃべったからか、理穂は息があがっていた。
そのことにビックリしているあたしの頭をポン、と理穂は優しく撫でた。
「季里は、ちょっと素直になればいいだけなの……。
だから、行ってきな?」
理穂……
……そうだよね。
ここで止まってたら、ずっとモヤモヤしたままなんだ。
勇気をだして、一歩を踏み出さないと、何も変わらない。
気付かせてくれて、ありがとう、理穂。
やっぱ、持つべきものは友達だなぁ
……なんて、本気で思うよ。
「ありがと……理穂
行ってくる」