「季里ちゃんのこと、好きなんだけど……付き合ってもらえる……?」



中田くん……



あたし……さっき、中田くんに恋してるのかなって思った。


だから……


だから―――







「………お願いします」






これで……よかったんだよね??



だけど、なんだろう。

この胸のモヤモヤは。



彼氏欲しかったんだし


中田くん、結構かっこいいから、わりとモテる方だし……。



一体、何が不満なんだろう。





「じゃあー……これからは“季里ちゃん”じゃなくって、“季里”って呼んでいーい?」




優しくて、甘い声。


耳元で囁かれても、モヤモヤが増すだけで……。



……さっきまでは、あんなにドキドキしたのに。