「中田くん………」
そう。
あたしの肩を叩いた人は、同じ塾で、クラスメイトの中田くん。
「どうしたの?……もしかして……泣いてた?」
「えっ………」
なんで………?
「目ぇ腫れてる……」
中田くんは、あたしの目線にあわせてしゃがんで、そっとあたしの頬と目尻に触れた。
ふいに恥ずかしくなって、うつむいた。
なんか……他の人に腫れてる目見られるのって…恥ずかしい。
と、そう思ってた時、頭の上に、何か乗った。
「……何があった…?」
ああ、そっか。
頭、撫でてくれてるんだ。
優しいな……
そう思ったら、自然と涙が出てきた。
「〜〜っ……ひっく……」
ポロポロと流れる涙は、止まることを知らない。
中田くんは、少し焦った後、ぎゅっ……とあたしを抱き締めた。