「一緒にかーえーろー!!」

「ぐふっ」


ドカーン、って感じの効果音が似合うぐらいに勢いよく飛び付いてきたのは……

尾川 悠(オガワ ユウ)


あたしと同じくらいの身長だけど同い年の、家が隣の幼なじみ。

昔から仲がよくて、いっつも遊んでた記憶もあるくらい。


だけど……さ?

だからって、毎日毎日一緒に帰んなくてもいんじゃない?


こんなことを思っていたら、同じクラスの中田くん(ちなみになかなかのイケメン)が男子何人か連れて、割って入ってきた。


「季里ちゃん♪これからカラオケ行かない?」

「わぁ!行……」

「行かないから!!」



……もちろんあたしは「行く」って言おうとした。だって、彼氏できるチャンスじゃん?

だけど、それを…隣にいるさっき勢いよく飛び付いてきた男に邪魔された。

しかも今すんごい中田くんのこと睨んでるし。


「……なんかゴメンなっ?じゃ、なっ」


そう言ってそそくさと行ってしまった中田くん。


ああ……今日もまたチャンスを…彼氏ができるチャンスを……逃されたぁぁあ!


「……っちょっと悠!?」