あたしはダッシュして、悠に追いつこうとした。……けど、悠もダッシュして逃げたから、追い付けない。

何階に行くつもりなのか、悠は階段を上がっていった。


運動部でもないあたしは、階段の踊り場ところで疲れてしゃがんでしまった。


悠は1人でだんだん上の階に進もうとしている。


まだ言うことがあんのに…!


あたしは呼吸を整えながらめいっぱい息を吸い込み、


「……っ悠のバカー!アホ!ドジ!マヌケ!!」


……叫んだ。




「……は?」



悠が(目を点にして)足を止めた。


あたしは、しめた!と思って悠の方に駆け上がり、逃げようとしてたので、悠の腕を掴んだ。



「……離せよ」



「やだっ!」



「離せ」


「いやだッ!だいたい、悠がわかんないから悪いんじゃんっ!!っつーか!なんで怒ってんのぉ!?意味わかんないしっ!
しかも逃げようとするしっ!逃げないで教えてよッ!」



あたしは、一気にしゃべったので、階段を駆け上がったくらいに息が上がった。

それでも悠は、黙って、背中を向けたまんまだった。


「なんとか……言いなさいよ…」