「なになに?なーんか二人して楽しそーな話してんじゃん?」
「あ、悠! あのさ、今日から一緒に帰れなくなるかも!」
「……は?」
悠は顔をしかめた後、理穂の口を塞いでいた手を緩めた。理穂は、「ぷはっ!」と言った後に、悠を睨んだ。
「これこれ!さっき靴箱にあったんだけど……」
「あっ!ちょっ…季里!!」
理穂のことを若干無視し、例の手紙を悠に見せた。
「やっぱりラブレターだと思う??」
そんなことを言いつつ、嬉しそうに手紙を見せるあたしとは反対に、悠はずっと顔をしかめたまま、
「……へー……」
って言って、あたしから目をそらしたままで。
バカなあたしは、なんで悠が喜んでくれないのかがわからなくて。
なんか気まずい雰囲気が嫌だったから。
「何ー?よかったねの一言もないのー?
ついにあたしも彼氏ができるかもなのにさー?
あ、これを機に、あたしモテちゃったりして……」
「季里!!!」
しん、となる教室。
あたしの言葉を遮ったのは、理穂だった。