「あら、明ちゃん」


「あ、お帰り!!結子さん」


靴を靴箱に入れていると、引き戸が開いた。

そちらに視線を向けると、
少し驚いた表情を浮かべた
結子さん―お祖母ちゃんが立っていた。


ちなみに、お祖父ちゃんのことは
普通にじーちゃんと言うのに、
お祖母ちゃんのことは結子さん、
と言うのには特別意味はない。
ただ、結子さんをばーちゃんと呼ぶと
「はぁ、私ももうそんな年なのね…」と悲しそうにするから、結子さんと呼んでいるだけ。

アレだよね。
気持ちだけ若々しくいたいってやつ。
…これを本人に言ったら怒られるかな…。