「おい、そこのおさげ女!!どけ!!」
「あ、あぶないよ」
どこからか怒鳴り声と
弱々しい声が聞こえた。
おさげ女…ってあたしじゃん!!
三つ編みしてるし!!
「え…?!あ、あた…し…?」
慌てて振り返ってみる…
…が背後には誰もいなかった。
「あ、あれ?」
空耳かな。
…やだなぁ、
あたしも年をとったのかしら。
我ながらバカなことを考えつつ
首を傾げているともう一度
「どけっつってんだろ!!」
と言う怒鳴り声が聞こえてきた。
「え?!」
声につられるように
上を見上げると…
…いた。
ていうか見てしまった。
10歳くらいの子供二人が
こちらに向かって降ってくるのを。
「な…っ!!」
あたしの意識はそこで途切れた。