「あ、そう言えば!!本当はあたし、昨日出なきゃいけなかったんじゃないの?」


ふと、
昨日思ったことを尋ねる。

16歳になった今日、お前は〜(略)
とか言ってたよね?


「ああ、あれは、ちょっと雰囲気を出すためにだな…」


じーちゃんが、至極真面目な
顔をしてそう答えた。


しかもなぜそのようなことを
真面目な顔で言う…


「いらないよ、そんな頑張り!!」


笑い飛ばすと、結子さんも
本当にね、と笑った。

ひとしきり笑った後、
結子さんとじーちゃんを抱きしめて


「手紙もいっぱい書くから」


と言い、体を離した。


「じゃあ、」

あたしはいつも
学校に行く時のように、

「行ってきまーす!!」

と元気良く言って、
「行ってらっしゃい」といういつもと同じような…けど、いつもとは違った二人の見送りの言葉を、聞きながら走り出した。