…けれど、それを聞く度に二人は
困ったような、悲しそうな顔をした。
だから、子供心に
“聞いちゃダメなんだ”と感じて
ずっと封印していたのだった。


「お前は気を使っていたんだよな?」


…それもあるけど、
いつしかそんな疑問を感じる必要がなくなったから、ともいえると思う。


というのは…


「…じーちゃんと結子さんがいて、二人の代わりにあたしを愛してくれていたでしょ?」


あたしはぽつりぽつりと、
呟くように喋り始めた。


「確かにふとした瞬間、どうしてあたしには…って思った時もあった」


その事をクラスの子にからかわれたこともあった。
…その時は、返り討ちにしてやったけど。