暫くして、
結子さんが戻ってきた。


「はい、どうぞ」


そして、手に持っていた
少し古めの封筒をじーちゃんに…

ではなくあたしに渡した。


「ん?え、あ、あたし?!」


無意識に受け取った封筒と、
じーちゃん、結子さんを
見比べながら尋ねる。

な、何で、あたし?!


「よく見ろ。お前宛てだろ」


そう言われ改めて
封筒に目をやる。


「あ…、本当だ…」


封筒の表に“綾瀬 明 様”と
裏返すと、
右下に“綾瀬 日向”
その隣に“綾瀬 深月”
と書かれていた。


「綾瀬…ひ、むかい?……ふか、つき?」


よ、読めない…っ


「“ひなた”と“みつき”。あなたの父親と母親よ」


しきりに首を傾げていると
隣に座ったらしい結子さんが
そう言った。