…ん?



…って、ちょっと待って。
結婚じゃなかったみたいだけど、
かなりすごい事言われたよね?
あたし。


「ねぇ。今、16歳になったあたしは、この家から出て行かないと…いけない、って言った?」


「ああ」


じーちゃんは清々しいほどに、
しれっと頷いた。


「はぁ?!いや、ちょ、待って!!何いきなり!!」


出て行くって…何だそりゃ!!


「いきなりじゃないぞ。数年前にも言ったからな。…確かお前が3歳の頃じゃったかの…」


じーちゃんは、思い出すように
とんとんとこめかみを叩く。


さ、3歳って…


「んなの覚えてるかぁ――――!!」


あたしは、もし目の前のテーブルが卓袱台なら、ひっくり返していそうなほどの勢いで突っ込んだ。