「嫌。本が読みたい」

流されるのが悔しくて深からの申し出を断った。

「今さら…。自分から頬寄せてきたくせに」

「気持ちいいんだもん」

ここは正直に言っておこう思った。

深はため息をつき、海里を抱き締めた。

「恋人といるんだから、本はやめようぜ」

結構寂しいんだぜ?と苦笑いをしながら言った。

海里はそんな姿の深を可愛く思いクスリと笑った。

「しょがないな」

海里はそう言うと深の胸に頬をすり寄せた。

その行動が可愛くて、嬉しくてキュッと強く抱き締め返した。

そして、二人は引き寄せられるように唇を重ね合わせた。

頬を撫でる彼の手が好き。

悪戯な笑みを浮かべる彼が好き。

そんな彼といるそれが幸せな日々。