重い足どりをたどりながら歩くあたし。
「はぁ…」
今日は光山高校の入学式。
入学式なんて1年の中のイベントで1番
面倒くさい。
「ふ~う~か~っ!」
源月風花。
天然で、結構モテるのに自覚していない…
そして今話しかけて来のは、
親友の原田咲季。
優等生で、優しくて、おまけに可愛い。
あたしの憧れ。
「さきちゃーん」
いきなり咲季ちゃんに抱きつくあたし。
「どしたの?そんな浮かない顔して」
心配そうに私を覗きこんでくる。
「あのねー。入学式めんどくさいの、」
なーんて言ったら咲季はいつものように
フッと笑って「八イハイ」
って言う。
大人なんだよね。