そして、翌日。
美緒の誕生日。

東都病院8階 美緒の病室前。

コンコン・・・

軽くドアをノックする。

美緒「はい、どうぞ?」

その声を聞き、僕はドアを開ける。

あゆむ「ごめん・・・ちょっと遅れた」

現時刻4:50。

いつもの時間よりも少し遅い。

美緒「ううん。 どうしたの? 少し息を切らしているけど・・・」

エレベーターに人が集まっていて、
とてもじゃないが乗れそうになかった。
そう思った僕は、8階までの階段を一気に駆け上った。

あゆむ「それより・・・ちょっと部屋の外に行かないか?」

美緒「え、今日はもういいよ。 さっきまで屋上にいたし・・・」

あゆむ「いいからいいから!」

僕は美緒の手をとって立たせ、部屋の外に連れ出した。

美緒「ねぇ!? ちょっと・・・どこ行くの!?」

何も答えない。

よかった。
今度はエレベーターに乗れそうだ。

僕たちは1階まで下りた。

その間も美緒はずっと尋ねていたけど、
今は何も答えない。

玄関には一台の車があった。

圭悟「早く乗れ。 10分ほど遅れている」

真智「相変わらず時間にうるさいわね~・・・あんたは」

美緒「え? 三上先生? 小泉先生も!?」

美緒を乗せ、僕たちは目的地に向かって走り出した。

美緒「先生? いったいどこに行くんですか?」

真智「秘密~」

圭悟「すまないな。 今日だけは君に味方できない」

美緒「・・・?」

あゆむ「・・・」

・・・

・・・