それから待つこと数分。

メグ「そろそろだと思うんだけど」

明日香「あ、いた」

向こうからやってきたのは、明日香さんと楓さん。
内心ホッとした。

メグ「すいません、二人とも忙しいのに」

楓「大丈夫。深夜勤の人たちがもう来てくれたから」

明日香「それに、こういうことなら断れないでしょ」

そして僕たちは商店街を歩き始めた。

・・・

明日香「でも、美緒ちゃん、ちょっと前とは比べ物にならないほど明るくなったよね」

明日香さんが不意にそんなことを言った。

あゆむ「そういえば、僕らがいない時の美緒ってどんな感じなんですか?」

楓「表面上はそれほどでもなかったけど、誰にも心を開いてくれなくてね」

あゆむ「誰にも?」

明日香「そう、誰にも。 私たちはもちろん、学校の先生や友達にもね」

楓「それから、少しずつお見舞いの回数が減ってきて。 ご両親は忙しいから、なかなか来ることができないし、さらに自分の殻に閉じこもっちゃってね」

あゆむ「・・・」

楓「でも、今の彼女になったのは、門崎祐司さんのおかげかな」

明日香「それだけじゃないでしょ。 何よりメグちゃんよ」

あゆむ「・・・?」

メグ「そんな・・・私なんて何の役にも立っていませんよ」

楓「メグちゃんも夏希さんに連れて来られたんだよね」

あゆむ「・・・え?」

そういえば考えたことがなかった。
メグはどうやって美緒に会ったんだろう。

明日香「1年ほど前だったっけ? メグちゃんが来てくれたのは」

・・・

・・・