コンコン・・・

美緒「誰だろ・・・どうぞ?」

楓「失礼します」

美緒「あ、楓さん」

楓「あら? 二人とも来ていたのね」

楓さんは注射針などの物品を持って入ってきた。

楓「二人ともちょっとごめんね。 美緒ちゃん、こんな時間に悪いけど、採血させてもらってもいい?」

美緒「はい、構いませんよ?」

あゆむ「え、楓さんがするんですか・・・?」

楓「あら。 私だって採血くらいできるよ。 ねぇ、美緒ちゃん?」

美緒「時々、上手くできませんけどね」

美緒はそう言ってクスクス笑った。

なんだかこの空間は僕にとって心地よかった。
無機質な部屋で交わされる日常会話。
これだけで、僕らは生きているんだって実感できる。