でも、メグが泣いていた理由は、
僕が考えていたものとは違っていた。

『ごめんなさい。 好きな人がいるから』

自分のことを好きだと言ってくれる人を傷つけて・・・
それでも、自分の好きな人に思いを告げることができなくて・・・

僕なんかでは、きっと想像もできないほど
メグは苦しんでいたのだろう。

メグ「あゆむ? どうしたの?」

あゆむ「え?」

メグ「大丈夫? 意識、どこかに飛んでいたよ?」

あゆむ「あぁ、大丈夫。 ごめん、ちょっと考え事していて」

メグ「そう。 それならいいけど」

僕たちはエレベーターで8階に上がった。

ドアが開いた時に、目の前に知った顔があった。

明日香「あれ? あゆむ君?」

夏希「メグちゃんも。 久しぶりだね~」

明日香さんに夏希さん。
僕は病院に頻繁に来ていたから、久しぶりってわけでもないけど。