結城高校正門前~東都病院

僕はメグと一緒に東都病院に向かっていた。

僕たちが2人で病院に行くのは久しぶりだ。
僕だけのことがほとんどで、メグ一人で行くことも最近はなかった。

メグも既に受験が終わり、今は結果待ち。
この夏休みは尚人や慎二も受験勉強が始まる。
僕もそろそろ始めなければならない。
ただ、まだどこを受けるかは決まっていない。

メグ「ちょっと待って」

病院に入り、エレベーターの前でメグが何かを思い出したように言った。

メグ「お花買ってくるね。 久しぶりに来たんだし」

あゆむ「じゃあ、先に行っているよ」

メグ「あ! その・・・待っていてほしいんだけど」

メグはそう言い、僕に鞄を預けて花を買いに、
再び玄関前に戻って行った。

あゆむ「・・・?」

ま、いっか。

僕はすぐ目の前にあった椅子に腰掛けて、
メグを待つことにした。

そして、
時間にして数分であろう。
メグが小さな花束を抱えて戻ってきた。

メグ「ごめんね、お待たせ」

あゆむ「もういいの?」

メグ「うん。 はい、これ」

あゆむ「え?」

メグは今買ってきた花を僕に差し出した。

メグ「あゆむから美緒に渡してあげて。 ね?」

あゆむ「・・・? せっかくメグが買ったんだから、自分で渡せばいいのに」

メグ「いいの。 きっとその方が美緒も喜ぶだろうから」