翌週、月曜日。

あゆむ「・・・」

あれから数日が過ぎた。

あの時・・・

・・・

・・・

??「本当よ」

二人に詰め寄る僕の後ろから声がした。

あゆむ「・・・美緒」

両手を後ろに回して、彼女は静かに立っていた。

美緒「祐司さんの言ったことは本当よ。 いつかはわからないけど、そう遠くない将来に、私は死ぬわ」

死を肯定する彼女に、僕は口を開けたまま固まってしまっていた。

圭悟「・・・」

祐司「・・・」

その美緒の言葉で僕だけでなく、二人も言葉を噤んだ。
少し下を向いたまま、時間だけが刻々と過ぎていった。

美緒「でもね?」

沈黙を破ったのは美緒自身だった。

美緒「別に死ぬのは恐くないし、後悔もしていない」

あゆむ「え?」

美緒「だって、楽しく笑って生きることが出来たのだから」

美緒はそう言って、笑顔を見せた。

美緒「それに、友達もできたし」

あゆむ「・・・」

どんな気持ちだったのだろう。
死ぬのが恐くないという美緒。
まだ10代という若さで、避けられない死を宣告されて、
どうして笑っていられたのだろう。

僕は今でも、このときの美緒の気持ちがわからない。

ただ・・・微笑んでいた彼女の顔が、
闇の中でやけに哀しそうだったのを忘れることができなかった。

・・・