祐司「君はまだ彼女とは無関係に近い。 なら、引き返すことも出来る」

あゆむ「え・・・それって・・・」

引き返すことも出来る?
それってつまり、美緒の病気は深刻なものだから、
これ以上かかわっても良くないということなのだろうか。

祐司「勘違いしないでくれ。 俺は彼女に会うなと言っているのではない」

え?

祐司「君や君の友人が美緒に会ってくれるのは、俺達としても嬉しい。 ただ、問題はそれを良しとするかどうかは、他の誰でもない美緒自身が決めることなんだ」

あゆむ「あ・・・」

祐司「夏希や明日香に言われたから。 そんなふうに義務と考えているうちは、見えるはずのものも見えなくなる」

あゆむ「美緒は・・・僕が病院に来ることを望んでいないと?」

祐司「・・・」

彼は黙ったまま頷いた。
肯定の意味。

あゆむ「でも・・・夏希さんは、僕が病院に行くことを美緒に話して了解を得たって言っていました。 ・・・!!」

自分で言って、気が付いた。

祐司「それは夏希がやったことだろう? その時に、夏希の考えが美緒に押し付けられたってことだ。 普段から美緒と接している夏希に頼まれたら断れないさ」

本当はわかっていた。

祐司「それに、美緒が拒んでいるのは君だけじゃない」

あゆむ「まさか、メグもですか?」

どうして?
あんなに仲が良い二人なのに・・・