あゆむ「・・・」

本当に行ってもいいのだろうか。
行くにしても、僕一人で行く勇気はない。
メグに電話してみよう。

??「君が白石あゆむ・・・君か?」

メグに電話をかける直前に話し掛けられた。
目の前にいたのは、さっき僕の横を通り過ぎた男。

あゆむ「えっと・・・そうですけど」

門崎祐司だった。

祐司「そうか。 俺のことは知っているか?」

あゆむ「門崎祐司さん・・・ですよね?」

祐司「あぁ。 さっきは、なぜ明日香と一緒に?」

あゆむ「あ・・・すいません」

祐司「・・・? どうして謝るんだ?」

彼は首をかしげている。

祐司「あぁ、そういうことか」

そして一人で納得した。

祐司「別に君と明日香が一緒にいたことを妬いてもいないし、怒ってもいない。 ただの素朴な疑問だよ」

あゆむ「たまたま道で会って・・・それ以前に明日香さんとは病院で知り合ったんですけど」

今までの僕の考えとは違い、今の僕は彼に対して嫌悪感をもっていなかった。

祐司「そうか。 美緒の病院か?」

あゆむ「!?」

彼の口から出た一言に反応した。

どうして彼が美緒のことを?