そんなこと今まで感じたことなかったのに。



あ…ったかい。
卵酒の温かさ、雑炊の温かさ。

でも何より聖夜くんの優しさの温かさを感じた。





『ありがとう。なんかこんなんしてもらったの初めてやわ…本当にありがと』

『いいって!!これぐらいいつでもしたるし。ピンチな時は呼んでくれたらすぐ参上したるで』

『ほんまに?じゃあ熱出ても安心やね』





あたしは笑ってそう言った。

でも…分かってた。

聖夜くんは雨が降ったから今日来てくれたってこと。


雨が降らなければ…
きっと来ることなんてなかったことも。