『また明日くるわ』
『怖いからっておしっこもらしたらあかんで』



京子とりぃは帰る頃にはそう言って笑っていた。


二人を病院のロビーまで見送り、一人でジュースの販売機の前で何を買おうかボーッと考えていると誰かに見られてるような視線を感じて周りを見渡した。





『あ…』


そこには
香織が立っていた。


あたしは香織を無視してジュースを買うとエレベーターに向かって足早に歩いた。






『何で病院のパジャマ着てんの?』



でも、小さな声で香織がそう声をかけてきた。

こいつ何も知らんの?






『誰のせいやねん…』


あたしはイラついた声でそう返事をした。


香織は意味が分からないのか不思議な顔をしていた。







『教えたるわ。あんたのお母さんにな、階段から見事に突き落とされたわ。それでどうなったか分かる?赤ちゃん流産してんで!人殺しやなほんま…お母さんもあんたらに殺されたみたいなもんやねんで!』



『嘘…やろ?お母さんがそんな…』



香織は顔が青ざめていた。

いや、顔色は元から悪かった。

病状が悪化していることは見てすぐに分かった。