『すいません、今外科の石井先生は勤務中か分かりますか?』


総合受付のステーションに行き、そこにいた看護婦さんに声をかけた。


『今は勤務時間外ですけど当直なんで院内にはいると思いますが』

『すいません、ありがとうございます』



あたしはそう言ってすぐにお父さんの休憩場所、あの仮眠室へと向かった。


おなかの痛みはまだ続いていたけど、ジンジン痛むような感じで、そこまで痛いというわけではなかった。











『…ねん!』


仮眠室に着く寸前、大きな怒鳴り声が聞こえた。

明らかに京子の声だった。




『あ?分がってんのか!なんとかゆえやボケがっ!!』



急いで仮眠室のドアを開けた時、京子の声が部屋中に響いていた。




バラバラになった書類や物がたくさん散乱していて、そこにはお父さんとあの女が倒れていた。


そして京子の手には、どこから持ってきてん!?と突っ込みたくなるような棒が握られていた。






『あんた!ろくな友達持ってへんな!変な言いがかりつけて殴りかかってきて!階段から落ちたんは自業自得やろが!』




おばはんはあたしを見てそう吐き捨てた。