シーンとしてた。


あたしも聖夜くんも何を話していいか分からなかったんだと思う。



でも思い出す。
陸の言葉。


伝えないと…伝わらん…。






『あ、あんな…あたし聖夜くんのこと…好きかもしれん。まだ自分でもよく分からんねんけど。でも会えたら嬉しいし電話かかってきたらめっちゃドキドキしたりする。多分…もう好きやと思うわ』




とうとう…
言って…しまった。


陸の言葉が背中を押してくれた。

あたしは携帯を持つ手が震えてた…。








『ありがとう。めっちゃ嬉しい。俺…知香ちゃんみたいな子と付き合ったらめっちゃ幸せやろな』


受話器の向こうから聞こえる優しい声。













『付き合おっか』


しばらくシーンとした後、聖夜くんはあたしにそう言った。


その言葉が、あたしには突然すぎて信じられなかった。





でもあたしはそれを受け止めた。

前の彼女とのことをちゃんと聞かないまま、あたしは聖夜くんと付き合う道を選んだ。