『熱どうなん?』


そう言って聖夜くんはあたしのおでこに手を当てる。








あたしは…ドキドキしてた。

“彼女持ち”の男に。







あたしおかしい…
なんでこんなにドキドキしてるん…







『だっ!大丈夫やから!ほんまに!!もう熱も下がってきてるし』


『ほんま?ならいいけど。ちゃんと寝ときや。夏風邪はぶり返したりするから』







聖夜くんはそう言うと帰る準備を始めた。


ジャケットを着て携帯をポケットにしまう。

それからカバン…






『帰らんといて…』


あたしは気付けばそう口にしてしまってた。


聖夜くんはびっくりした顔であたしを見ていた。


なんでこんなこと言ってしまったんやろ…
あかんやん…