ドアに向かって走っていく空ちゃん。
私にジロリと湿った視線を送ると――ツカツカと私に歩み寄ってくる。
な、何……?
あきらかに“何か”を企んだその表情にゾクッとしながら数歩後ろに下がった。
ヒラッと小さな手が振り上がった瞬間――。
叩かれる……っ!そう思って目をつぶったんだ。
でも痛みなんか走らなくて……
「ふ~ん、白なんだ?まだ子供ねっ!」
その変わり、太ももの辺りを風が通り抜けた。
「……」
デニムワンピを下からたくし上げられたことに気付いて、呆然とする。
――そう、男の子がする、スカートめくりと一緒だ。
空ちゃんだけならまだしも…っ!
この部屋には、凜久が……。
「凜久お兄ちゃんっ!」
クルッと凜久の方へお尻を向ける空ちゃん。
「空の方がオトナでしょ?」
チェックのスカートを、自分からヒラリとめくってみせた。