みんながいなかったら……
私きっと、ダメになってた。



「私……留年する。ずっと凜久たちといる」

「何言ってんの。もう高校決まったでしょ?」

ぐずぐず拗ねる私を、凜久が背中をさすりながらなだめてくれる。


嫌だよ……

また高校でひとりになんてなりたくない。




「でもさ、高校はここから1番近い場所を選んだんでしょ?」

「……うん」

「まったく会えないわけでもないし……、朝は僕が駅まで一緒に行ってあげるから」

「うん、ありがとう……」


優しい言葉をかけてくれる凜久。